2011年6月30日木曜日

□熱中症対策 ~「インターバル速歩」や冷却グッズ~


福島第一原発で今年の夏は節電が求められています。消費電力の高いエアコンだけに頼らない熱中症対策として、冷却グッズを活用したり、朝夕の涼しいうちに、速歩きとゆっくり歩きを繰り返し暑さに強い体を作るなどの工夫で乗り切りましょう。

熱中症は、暑さが原因で体内の水分や塩分(ナトリウム)のバランスが崩れ、体温調節がうまくできなくなって起こる障害です。人は暑い時、自律神経の働きによって、末梢血管を拡張させて皮膚に流れる血液を多くしたり、発汗させたりすることで、体内にこもった熱を逃がし、体温を調節します。

しかし、高温の環境に長時間置かれると、皮膚に集まった血液の流れが滞り、熱放散による体温調節ができなくなります。体に熱がたまって起こる主な症状は、めまい、頭痛、吐き気、けいれん、意識障害などです。

熱中症を甘く見てはいけません。記録的な猛暑だった昨年、熱中症で緊急搬送された人は約5万6000人いました。このうち搬送直後に172人が死亡しています。搬送された人の5割近くが65歳以上の高齢者です。高齢者は、体温の調節機能が衰え、体内の水分量が若い人より少ないのが特徴です。

暑さに強い体づくりとして、スポーツ医科学の学者が「インターバル速歩」を提唱しています。高齢者や体力に自信のない人でも手軽にできるからです。速歩きとゆっくり歩きを3分ごとに繰り返します。速歩きは、しばらくすると汗ばむのが目安です。これを30分間、週3日行います。気温が30度を超す日は、朝夕の涼しい時間を選びます。

「インターバル速歩」に関する調査の結果、高齢者は2~4週間で汗をかきやすくなるなど体温を調節する機能が改善することが分かりました。また、30分以内に牛乳やヨーグルトを取ると効果がアップします。これらに含まれる糖分やたんぱく質が、血液中の水分量を増加させ、体温調節機能が改善されるからです。

冷却グッズも活用のひとつ。手軽なものでは、バンダナやスカーフ。動脈の通っている首に巻くと、全身の血液を冷やすのに効果的です。寝苦しい夜を乗り切るのに活躍しそうなのは冷却パッド。冷蔵庫で冷やせるジェルをシーツに貼り付けたもので、ベッドに敷くとひんやりします。

消費電力が高いエアコンも使い方次第で節電できます。経済産業省は「設定温度は28度に」と推奨していますが、これでは暑いと感じる人も多いでしょう。そんな時は、温度を下げずに風量を強くすることです。消費電力がエアコンの数十分の1とされる扇風機の併用も効果的です。

熱中症の予防には、「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。熱中症になった人の処置は、涼しい場所に避難させる、衣服を脱がせ、身体を冷やす、水分・塩分を補給することです。意識がない場合は直ちに救急車を要請することです。